
リーンリーン
昔聞いた事のある電話のベル。
ここはどこ?
全てがレトロ色の、古ぼけた
でも懐かしい部屋。
部屋の中はうすぼんやりと明るく
障子を通して、外から光が差し込んでいる。
そういえば
障子なんて最近見なくなったな。
木目のあるテーブルは
使い古されてもしっかりと磨かれていて
大事に使われているのが分かる。
テーブルの上には、黒電話がある。
あれ、黒電話が鳴っている。
私は何の迷いもなく、もしもし、と出てみる。
もしもし、元気?
この声、あ、おばさんだ。
いつも通り普通に話しているけれど
なんだかとても懐かしい。
懐かしいなんて
そんなに長い間、話をしてなかったかな。
暫く話をして
しっかり食べてちゃんと寝なさいよ。
あんたは相変わらず
大丈夫っていうんだろうけど。
私は、大丈夫だよ、分かってる。
またね。
と笑って電話を切った。
というか切れた。
気付けば外からは鳥の声がして
私は布団の中で目を開けた。
時計を見ると、まだ夜が明けて間もない。
そうだ。
おばさん、5年前に死んじゃったんだった。
子供の頃から大好きで
社会人になった後も
親代わりのように一番可愛がってくれた。
そうか、心配してくれたのかな。
居なくなったけれど
居なくなっていないのか。
久しぶりに、おばさん直伝の
ふわふわたまごを
朝ごはんに作ってみると
あまりふわふわではなかったけれど
おばさんと一緒に作っている気がして
心もお腹も温かくなりました。
今日も良い一日をお過ごしください。
不思議な電話 | 星那(ほしな)先生|電話占いカリス