ポケベル…ポケットベルの通称だ
多分あなた方は「見たことすらない」のではないか?
ポケベルは1985年位から始まったらしい
一番最初は主に会社が購入して営業職の人に持たせておくというものだった
会社から本人のポケベルに電話をかけると本人のポケベルが鳴るので、すると本人は状況を見計らって(得意先と打ち合わせ中のこともあるので)会社に電話をかけ用件を聞くというものだ
よく日中の喫茶店とかでピーピー鳴ってサボりがバレていた
だがポケットベルは進化して、まず「掛けた電話番号を表示できる」物が販売され始めた
これが画期的だった
それまでは「掛けてくるのは会社限定」だったが、掛けた番号を(掛けた人が入力すれば)表示できるということは「私用に利用できる」ということだ
例えば私が彼のポケベルに「自宅の番号を入力して」電話をすると、彼は私の自宅に電話できるという具合だ
コレによって「個人でポケベルを買って持つ」人が急激に増えた
「会社不在時に来た会社からの連絡を聞く」目的オンリーだった使用目的に「仕事以外で使用できる」用途が追加された形だ
掛ける方は電話のプッシュホンの番号を使って自宅の電話番号を入力するだけだ
また番号を入力できることによって「今の自分の状況や気持ちを伝える」方法が編み出された
ただし文字数制限があったが…
(電話番号の桁数しか入力できなかった)
そしてまだ番号しか入力できなかった時代に「ポケベル暗号」的なものが誕生した
バイバイ=8181、至急=49、あいしてる=114106、遅れる=0906、おやすみ=0833…
そういうのをどうやら女子高生が編み出したらしい
時々「コレなんと読む」的なクイズとして出されることもあるやつだ
文字が表示できるようになるとそんな暗号は消え去った
みなさんもテレビで見たことがあるかもしれないが、文字が入力できるようになると「当て字表現」文化も次第に消えた
基本的に2タッチで1文字入力できるというものだった
11=あ 12=い 13=う…
21=か 22=き 23=く…
01=わ、02=を、03=ん、04=゛、05=゜と言った具合だ(カタカナやアルファベットにも対応していた)
そんなのを経て携帯電話へと発展していくのだが、ポケベルが1台3000〜4000円程度(使用量は別途)だったのに対して、発売当初の携帯電話は1台10万円とかの高額だった
とても「高校生が手を出せる価格」ではなかった
私は一時期携帯電話販売と契約の仕事をしていたことがあるのだが(携帯電話を無料or1000円未満で販売していた頃)、友達夫婦にも紹介した
本体無料だから、使う使わないにかかわらず「持っているとイザという時便利だから」と勧めた
夫婦には高校生の娘が居たのだが、娘は携帯電話ではなく(当時人気が終了しかけていた)ポケベルが欲しいと言って3000円以上もするポケベルを両親に買ってもらっていた
クラスメイトたちがポケベルを使っているので、自分もポケベルを使いたいという理由だった
そして(その人の母曰く)「電話なら1分とかからない内容をわざわざポケベル鳴らして文字入力をするので、通話料が月に3万も掛かった」とブツブツいっていた
そう、ポケベルは1回(3分以内)10円の通話料が掛かっていたのだ
1日に(いろいろな友人に)100回近くもわざわざポケベル宛で電話をかけるので通話料が掛かったのだそうだ
恐らくそれは友達の家でも同様で、だから各家で「禁止令」が出て結果ポケベルから携帯へとなったのだが、当時はまだ通話料も高く殆どの人は「携帯持ってても掛けない」のが普通だった(着信専用)ので、女子高生の遊びはたった1ヶ月で終了した
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