
それはバブルがはじけてから数年たち
人々があの華やかさを
もはや忘れかけていた頃だった…
それでも彼のチカラで
何とかお店は存続していたので
私はまだ、お気楽なまま
彼の優しさの中で
のほほんと過ごせていた…
だが、あの朝の一本の電話で
私の人生が一変するとは
誰が予想しただろう…
その後しばらく
私の目に映ったものは
すべて灰色の景色でしか思い出せない…
彼を失い、悲しみにくれる間もなく
現実が押し寄せて来た…
お店は
私が知り得ないほどの
多額の債務を抱えていた…
休業しても
容赦無く押し寄せる債務の督促…
でもその時の私には
何ももう必要とするものはなかった…
ただ静寂があればいいと思った…
車もマンションもすべて売り払い
とにかく
すべての現実にカタをつけたかった…
〜つづく〜
聖花物語〜崩壊〜 | 聖花(せいか)先生|電話占いカリス