時代はまさに転換期。
ゆっくりと、でも確実に歯車はまわっていく。
後戻りは出来ない。
そんな時代でした。
気がつくとかれは青年達のリーダーというか
まとめ役になっていました。
(当時はそういう青年の集団が乱立し、いくつもあったようでした)
彼には高い理想がありました。
なぜか、自分の想いをわかりやすく、他人に静かに、熱く伝えることができました。
『なぜ、団結することが必要なのか』
『何が正しくて、何が間違いなのか』
そしてまた、仲間達は
たとえ彼の言っていることが理解できなくても、その勢いと時代の流れの躍動感で彼に賛同していました。
しかしながら、彼は本当に思っていることは
心の底にしまったまま、誰にも伝えませんでした。
『どうせ、誰にもわからないだろう』
自分の行動には嘘はない。
そのために努力もしている。
でも、本当のことを言うと、
彼にとってはどうでもよかったのです。
彼の想いの元となっているのは、少年の頃に脳裏に焼きついた
こん棒でたたかれる人々。
そして、夕陽のなかを歩いていく自分たち親子の姿。
『結局、どんなに何をしても、そこには結びつかない。
二度とは戻れない』
いろいろなことに気が回り、仲間の信頼を集めている自分。
そして同時に全てにおいて打算的な自分。
『ある意味、仲間は自分にだまされているのではないか』
そんな想いでした。
そこで、彼に従って
そばで彼をサポートしている仲間の女性が見えてきました。
(瞳を覗くと、あっ、これは、共通の友人である○○さん)
彼女は元々自分自身の意見を持っていました。
けれど、彼のカリスマ性と、そばにいる安心感から彼に従うようになり、いつの間にか自分の考えはあまり持たないようになっていました。
それならそれで良いと考えていたようです。
革命の時代。
『何が正しくて、何が正しくないか』なんて
本当は誰にもわかりませんでした。
彼にも。彼女にも。
『新しい時代』とか『思想』とか
『民衆のため』だとかみんな色々叫んでいたけれど、結局は誰もが勢いのあるエネルギーに流されていました。
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