数年ほど前、諸々の辛さを抱え、ズタズタの心を携えて家路を急いでいたある日、ふと前を通ったお花屋さんで、吸い込まれるようなピンク色の、美しい薔薇を見つけた。私は暫し立ち止まり、薔薇に見とれていると何故か急に、後から後から涙が・・・。
慌てて我に戻り、病気療養中の母の為にとその薔薇を買った。
薔薇を持って家に向かう時、その一歩ごとに私のひび割れた心にそっとパテを塗るようにススッと優しく入り込んで来る何かを感じた。私は薔薇が全力で痛みを癒してくれていることに気が付いた。深く、静かに、私の心の傷に寄り添ってくれる薔薇に対して、心から感謝し、家の花瓶にさして飾った。
次の朝、薔薇を愛でようと目をやるとなんと、昨日買ったばかりの薔薇がすっかり枯れていた。
命の全部を使って私を癒してくれていたことを悟ったのはその時だった。
何故命をかけてまで私の心を救ってくれたの?
問いかけに、あの時涙するほど愛してくれたから...そんな声が聞こえた気がした。
あの美しいピンクの薔薇は、今でも私の心に咲いている。
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