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続魂みがきの人たち(13)

ネットワークの事務所が出来る
HY社長が動き出したことで、ネットワークビジネスの仕事が一挙に伸び始めるという予測で、TYさんはHY社長の会社のそばに事務所を借りました。
私はお金がないので、敷金や家賃はTYさんが出しましたが、社長や私が好調に成績を上げると当然資格の高いTYさんの収入は大きく増えるので問題ありません。
TYさんと私はこの事務所から北海道のトップグループを作り上げようということで、社長と同じように夢中になってこのビジネスを伸ばしてくれそうな、成功欲があって自分のグループをまとめることが出来る人材をリストアップしました。
活性水素の浄水器の顧客の中からも何人か人材が挙がってきて、整骨院のS先生、ペットトリマーのG先生、レストランオーナーのW社長、それにHY社長、あと1人私の古くからの知り合いでクラブ経営者のNママ(魂みがきの人たちの私がお金を借りたママです)など最強のメンバーが揃いました。
しかし、ここまでは良いのですが、一つだけ困った事があります。
それはこのビジネスで入ってくる私の収入が、元妻の名前で入会したために彼女の銀行口座に振り込まれるのです。
名義と入金口座を私に変えるためには、当然元妻の承諾とサインが必要なのですが、そう簡単にうんと言う訳がないのです。
元妻に電話をして、「忘れているかも知れないけど、前にお前の名前で登録したネットワークビジネスの仕事がうまく行きそうで、今後お前の口座に毎月収入が入るんだけど、まあ全額とは言わないが、営業費もかかるので俺の口座に振り込んで欲しいんだ。
それから、今後頑張るので名義を変えたいと思ってるけど書類を取り寄せるのでサインして貰えないか？」と言ったのですが、彼女は「ふーん、考えとくわ」と言っただけでした。
HY社長は次々と社員の名前でこのビジネスの商品を買い込み、会社の中に販売コーナーを作ってそれを売り始めました。
TYさんの事務所で説明を聞いた人が、HY社長の会社へ寄って商品を買うという感じで、さすが社長うまいこと考えたものです。
これらのお陰で私の成績もどんどん伸びて、このネットワークの会社から毎月の収入とは別に月15万円の住宅手当が出るようになりました。
そのお陰でちょっと良いマンションに元妻と娘が住めるようになったのですが、そこに私も住めるかなと思い始めた矢先にNママが自分の成績を伸ばすためにR美を事務所に連れて来たもんだからまたややっこしいことになって行くのです。
R美は私の元の愛人で家内と離婚する原因となった女でして、やっと別れたところだったのです…。