続魂みがきの人たち(5)
HY社長との出会い
社長とツボ八で会った数日後、社長の会社に初めて出社し、朝礼に参加しました。
社員は総勢30人はど、この会社の健康食品部門、金券ショップ、リサイクルショップ、事務用品部門、事務職の人達です。
社長が私を紹介しました。「今日から我々の会社で一緒に働くことになったK部長だ。
勤務形態が皆と違うので、朝礼に出るのは今日だけです。
今後、事務所に出入りすることになるけど、お客さんではなく我々の仲間なのでよろしく」
朝礼が終わってから社長に「私は、部長なんでしょうか？」と聞くと
「ま、なんでもいいんだけど、営業部長くらいが一番営業し易いだろう。
ある程度決定権ありそうに見えるし、あんたは元経営者なんでそれなりに見えるから良いんじゃないか？
これが、名刺だ。もっと偉い方が良かったか？」
「いえいえ、十分です。ありがとうございます」
確かにこの後、何年も社長の会社にお世話になりましたが、朝礼に出たのはこの1回だけでした。
時間で給料が出るわけでもないので出社するのは用事がある時だけで、物が売れていれば、出社の義務もないわけです。
朝礼の後、それぞれの部署で幹部を紹介されました。
皆、人の良さが顔に出てるような感じの人ばかりです。
大人しい感じのS専務。
真面目そうな健康食品のM部長。
いつも笑顔のリサイクルショップのK店長。
そして本物のオカマの金券ショップD店長、私はこの人から良くプレゼントを貰いました。
最後は、社長の5回目の奥さんで事務長のHT恵さん、HT恵事務長は私と社長が揉めるといつも間に入ってくれました。
そして私が健康機器部門の部長ということになりますが、形だけなので最後まで部下はいません。
古くから社長を支えて来たのは、この幹部の人たちでした。
そして、これからだんだん分かって来ますが、破天荒で頑固でわがままでパワハラのHY社長を心から愛していて。
HY社長が亡くなる寸前まで人生を捧げるように、社長について行こうとした人たちでした。
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