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誉清とオカマ(2)

日舞の先生が「京都三大オカマ」の一人だということを、N君に聞いた私は急に怖くなって「N、頼む今度の日曜日俺と一緒に先生の家へ行ってくれないか」とお願いしました。
N君は快く引き受けてくれて、先生に言われた日曜日の午後4時に二人で先生の家に向かいました。
先生の家には初めて行きましたが、日本庭園がある立派なお屋敷です。
夕方でしたので、外は少し薄暗くなり始めていまして。
チャイムを鳴らすと奥から先生が玄関まで出て来られました。
私が「先生、稽古のことをN君に話したら、見学だけでもいいから自分も連れてって欲しいと言うので連れて来てしまいました。
良いでしょうか？」と言うと先生は、かなりがっかりした顔をしてから、「まあ、いいわ。じゃ、二人お入りなさい」と上げて下さいました。
石畳のとても大きな玄関を入るとすぐ右手に広い板の間の部屋があり、その部屋の奥三分の一ほどのスペースが少し高くしてあって、舞台のようになっていました。
2時間ほど二人一緒に稽古をつけていただいて、何も恐ろしいことは無く帰って来れました。
今でもこれはN君のお陰だと本当に感謝しております。
先生はその後私を誘うことはなくなりましたが、もしあの時一人で行ってしまったら、
私は先生の毒牙にかかってしまったことでしょう。
稽古の途中で先生に組み伏せられて、
めくるめくような新たな快感を教えられたら、
多分その後の私の人生は全く違うものになったのでしょう。
京都ではそんな事がありましたが、その数年後、今度は、私は生命保険会社に入社するのです。
この時もまた自分のオカマモテる体質を再確認するような出来事を体験してしまいます。