魂磨きの人たち(5)
銀座のパワハラ社長T社長
銀行の応接室で、私はテーブルの上に5000万円の札束を出しました。
銀行員は「一応、この現金を別室に運んで機械で数を数えたいのですがよろしいですか？」と言い、
「お願いします」と答えましたら、手押し車に載せて運んで行きました。
しばらくして戻って来て、「機械に2回掛けたのですが、2回とも4970万円しか無いのです。本当に5000万円ですか？」
私「正直言うと5000万と言われて数えずに受け取って、よくわからないのです」
行員「こちらとしましては4970万円しか確認できないので、その金額で処理していいですか？
我々もこういうのは迷惑なんですよね。送金手数料は3万円でも5000万円でも同じなんですよ」
「すみません…」と頭を下げてその金額で送金が終わりました。
すぐに自分の会社の経理部長に電話して「今送金したから手形の支払い等準備してくれ」と伝えました。
社長の会社に戻ると来客中で、総務部長が私に鞄の中身を渡しながら「社長は今時間が無くなったので、北海道へお帰りいただいてもよろしいとのことです。
後はまた電話でと仰られてます」とのこと。
会社を出て、30万円少なかったことが気になったので、実家の隣のスーパーの社長でありT 社長の甥にあたるMさんに電話しました。
私「30万円少なかったのは、私が試されているということでしょうか？確認しない私が悪いとか」
Mさん「いや、叔父はそんなことはしないと思います。
単なるミスと思うのでそれはちゃんと電話で伝えないと駄目だと思います」
とのことだったので、恐る恐るT社長に電話でそのことを伝えました。
すると「ああ、そうだったか。悪い悪い、あり得るな。なんかいくつかゴムで縛ったやつあったよな、あれが怪しい。すまんすまん。でどうする？」
と言うので、私は「それでしたら、」と言い掛けたら「30万なら要らないとか言うのか？
お前いつからそんな金持ちになったんだ？」と言われ。
「いいえ、とんでもありません」と言うと「明日10時に来い！」と電話が切れました。
今考えると、この時にもう彼のパワーハラスメントが見え隠れしていたのかもしれません。
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