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魂磨きの人たち(4)

銀座のパワハラ社長T社長
翌日、午前10時に銀座の会社に着くとすぐに社長室に通されました。
私が「おはようございます。昨日はありがとうございました」とお礼を言うと、社長は黙って応接テーブルを指差しました。
テーブルの上には縦横30〜40cm高さ10cmくらいに札束が積み上げられていました。
「5000万だ。お前の鞄の中身全部出してそれ詰めて、近くの銀行からお前の会社に振り込め」。
私が「ありがとうございます。驚きました。現金なんですね」と言うと。
私の頭を叩いて「当たり前だろう。おれのポケットマネーなんだ。現金じゃないと足がつくだろう。いいか、お前の名前で振り込むんだ。決しておれの名前で送るな。分かったら、さっさと振り込んで戻って来い」と。
それで私は5000万円の札束を詰めた鞄を持って銀行を探しました。
こういう時に限って銀行はなかなか見つからないもので、鞄が皮製だったこともあり5000万円は結構重たく何回も手を持ち替えて歩きました。
やっとビルの2階に小さな銀行を見つけました。
窓口で「送金したいのですが」と告げますと係りの男性が「はい、これに記入して下さい」と振込用紙を出しました。
「あの、金額大きいんですが」
「いくらですか？」
「5000万円なんですが」
「はあ、どうぞ」
私が窓口の狭いテーブルを指して「ここに出していいんですか？」と聞くと
「げ、現金でお持ちなんですか？！」
頷くと「奥の応接室へどうぞ」と言われました。