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魂磨きの人たち(3)

銀座のパワハラ社長T社長
電話をもらった次の日、私はいくつか小さな予定をキャンセルして東京に向かいました。
午後の3時に銀座のT社長の会社に到着し、受付で名前を告げると総務部長が出て来て応接室に案内されました。
その後呼ばれて社長室に入ると、T社長が私に歩み寄り「よく来た！久しぶりだね。
仕事を片付けるから、ちょっとそこに座って待っていてくれ。食事に行こう」と言うと書類の束に判を押し始めました。
しばらくして、社長は「よし！、今日はせっかく来てくれたから銀座の美味しい中華を食べに行こう」と言うと、秘書に「車を出してくれ！」と伝えました。
一緒に近くの中華料理の店で北海道の話をしながら食事を終えると、「ちょっと飲みに行こう」と言って近くのビルの中の小さなバーに連れて行って下さいました。
T社長は、「同郷のお前と飲むのは本当に楽しい！」と上機嫌でカラオケで歌を歌い始めました。
そして我々の故郷の小さな町の思い出を話しながら懐かしいと涙を流し、疲れていたのかそのうち寝てしまいました。
2時間ほどして目を覚ましたT社長は「いかん、寝てしまった。ん？お前はどうしてここに居るんだ？」。
そして思い出したのか「あそうか、金だ！金がいるんだ！いくら有ったら大丈夫なんだ？」
と聞かれたので「手形が3600万あるんです。
月末それが無くて倒産しそうなんです」と答えました。
社長は「3600万か、でもそれは手形を落すためだから、運転資金もいるだろう。5000万ほどあったら大丈夫か？よし分かった。
明日午前10時に会社にに来なさい」と言って帰って行きました。