実は私は火事を見たことがある
一度目はまだ二十歳くらいの頃、彼の家の近所が火事になり、恥ずかしながら野次馬として見に行った
確か納屋か何かが全焼したと聞いた
結構離れた場所から見ていたのだが(沢山の消防車が近隣にズラッと並んでいたので)、炎の熱が凄く熱くて、顔が焼けるようだったのを覚えている
二度目は確かまだ20代の頃
営業から戻ってきた男の子が「あそこの家火事みたいだ」と言ったところから始まった
当時私は受付に居たので社内に出入りする人の相手をする(接客)のも業務のうちだった
その男の子は(いつもは裏口から入るのに)客用入口前(駐車場でもなんでもない場所)にトラックを置いて客用入り口から入ってきた
2トンのトラックに乗っていたので高い位置から見晴らせるのだが、あそこの角のうちから煙が出ていた…と言った
私はどの家?と聞きながら外に出て、まだ見た目なんともない家だったが119番通報した
すると見る見るうちに本当に煙が上がり始め、うちの会社は消防署から近い場所にあったので(1キロ程度の場所)すぐさま消防車のサイレンの音が鳴り始めるのが聞こえたが、その頃には本当に火が上がり始めていた
まだ外観では「本当に火事か分からない」状態だったのに…
その場では興奮していたのだが、火事が収まると「あの家族どうなるんだろう」と感情移入の気持ちが拭き上げてきた
アイロンの不始末だったらしい
そして全員外出していたので全員無事だったらしい
そして3度めが問題だ
3度めは「私の会社」だった
当時私は4階で仕事をしていた
1階倉庫、2階事務所、3階事務所、4階事務所と社長室、5階会議室と屋上だった
最初は2階の事務所で経理とかをしていたのだが、その後4階に引っ越すことになった
私は4階でも比較的室内の奥の方に席があった(だが非常口のドアは間近だった)
突然火災報知器が鳴り始めた
だが誰も逃げようとしない
「なにかの誤作動」だと思っていた
5階は元々「誰も従業員は居ない」し会議室以外には踊り場に喫煙所があるだけだった
ただ火災報知器は会社内全体で鳴っているので「何階が家事か」は分からない状態だった
いつまで経っても火災報知器の音が鳴り止まないので、同じ部署で比較的通路に近い場所のある女性従業員(4階で仕事をしている社員)が見に行くと、ドアの外が煙たかったそうだ
ドアから外に出ると、それはどうやら「5階の煙が階段を伝って降りてきているらしい」ことにすぐ気がついたそうだ
そして5階を見に行くと(共同の)吸殻入れがくすぶって煙が出ていたらしい
なので吸殻入れに水を入れるとすぐに収まったそうだ
だが問題は別にある
5階といえば「4階のすぐ上」だし、誰も従業員が居ないのだから本来は私達4階の従業員が気が付かなければならなかったのだが、何故だか私たちは全員「火災報知器の誤作動」「誰かが確認&対処するでしょ」と決めつけていて(誤作動なんて一度もなかったのに)誰も確認しようとしなかったということだ
吸殻入れから煙が4階まで溢れてくるほどにくすぶったというのに、誰も避難しなかった
誰かが叫んだり逃げたりすれば他の人も続くけど、そうでなければ「集団心理」が働いて「誰も逃げないから大丈夫だろう」と思ってしまうらしい
私たちはまんまと「ソレ」だった
タバコの火の不始末とは言え、ひょっとしたらそれは本当に家事になっていたかもしれないのに、彼女以外は「見にさえ行かなかった」のだ
全社員では80人以上も人が居るのに…総務の人たちさえ…
あなた方は「一番最初に逃げる」人であって欲しい
人々を先導しろとは言わないが、少なくともあなたには「逃げる人」であって欲しい
たとえボヤでも、ボヤで済んだらラッキーではないか
火事には命が掛かっている
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