
【第四話 フミさんへの伝言】
そしてアスカさんは最後にこう言いました。
「こうして今日ここで話したことを、
一緒に合宿で学んだフミさんに伝えて」
不意にその名前が出てきて、
私は一瞬言葉を失いました。
どうしてフミさんなのだろう。
理由を考えようとしても、
うまく思考がつながりません。
「えっ……どうして?
会ったことだけを伝えたらいいの?」
そう尋ねると、
アスカさんはやわらかく微笑んだまま、
「ありがとう。
それだけでいいから」
とだけ答えました。
それ以上の説明はありませんでした。
意識を戻した私は、
先ほどまで言葉を交わしていた
アスカさんのことを思いました。
そして肉体レベルでは今もどこかの病床で、
静かに眠り続けているであろう彼女へと、
しばらく想いを馳せていました。
届いていた声(第四話/全九話) | 龍空(ルーク)先生|電話占いカリス