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私が子供の頃、私の知ってる大人達はとてもカッコよく、博識で、そしてちょっとおせっかいでした。
触れ合って来た大人の代表格と言えばやはり学校の先生でしょうか。
今思うと、私という人格形成の中には、各学校の先生方の影響は、不可欠だったように思います。
小学校低学年の時の担任の先生は、
深い洞察で誰も気付かない私の中の正義感や
善悪を判断する心、私の本質を的確に読み取り、

通知表を通じて親に気付きを促してくれました。

高学年の時の先生はとても美しくも厳しい女の先生。
毎日必ず出る漢字の書き取りの宿題を
よく泣きながらやりましたが、それにつれ字が整い、
今現在書いている字の礎となりました。
その他にも色々な能力を引き出してくれる先生でした。
クラスの問題を子供たちで解決する為の数人のチームを
結成し、それに選ばれた私も放課後、問題の本質について
仲間とよく話し合ったのを想い出します。

中学の時は、父の事業が倒産し、経済的に大変な時期であった私に
学年全体の先生方で修学旅行費を恐らく
工面して下さったようでした。
私が修学旅行に行かないと言ったからです。
また担任は、お小遣いまで用意してくれていました。
私はさすがにお小遣いは辞退しましたが、
お小遣いの数千円以上の、一生に渡る何か大切なものを
いただいたと思います。

また社会に出てからも、ある部長が
世間知らずでわがままな私を笑いながら、
諭すように上手に導いて下さり、
社会人としての嗜みを身につけることが出来ました。

私はおかげで、世の中には良い大人が溢れていると思い、暮らしてくることが出来ました。

これが当たり前の出会いと思っていたなんて、
何たる不心得者でしょう。
これらの出会いは、本当に二度とない大切な邂逅であったのに、
何故もっと大事にしなかったのだろうと
未熟者の自分を叱り飛ばしたい気持ちです。

本来ならば一人一人のお宅に訪ねて行き、
お礼の言葉を述べたい気持ちで一杯なのに
こんなふうにしか表現出来ない自分の不甲斐なさに涙がちょちょぎれます…。

でもせめて、そんな古き良き風情漂う日本人の情感を
下の世代に継承していきたいと
心から感じる今日この頃なのです。

どうかこの想いが、恩ある方々へと届きますように…。