日中の陽気が暖かく薄着で過ごして、朝晩の風に肌寒さを感じる季節ですね。
陰陽五行という考え方では、春は「木」にあたります。
冬は「陰」の気（氣）が強まり、春は夏の「陽」の気が満ちるまでの陰陽の気が転じる季節でもあります。
もうすぐ立夏も近いことですので、春について見直すことで、今直面しているトラブル解消や活動的な夏と運気アップを迎える準備をしてみませんか？
まず、五行の「木」は、肝臓と胆嚢に強く関係します。
よく肝臓は、血液中の老廃物の分解や解毒を行い、吸収した栄養素を蓄えたり血液中に排出したりしながら、血液の流れに作用していると言われます。
胆嚢も、脂肪の消化・分解を助けると言われています。
つまり「肝」の働きによる気や血液等の流れを肝気と呼び、この流れが乱れることが「体調」や「精神状態」に大きく作用します。
例えば、肝気が乱れ「木」のエネルギーが低下すると
・倦怠感 ・筋肉（特に脚）がつったり ・強い眠気 ・首こり肩こり ・髪や爪の不調 ・めまい ・眼精疲労 ・ドライアイ ・貧血 ・長引く咳 ・腹部膨張感 ・便秘や下痢 ・食欲不振や過食
などの身体的不調を感じやすくなるようです。
また、精神的にも強い不調を感じるものです。
よく『木の芽時（このめどき）』と呼ばれ、春の精神的不安定を例えたりしますね。
春になって陽の気が増す中で「心」がその状態にうまくついて行けないと、自律神経が乱れたり憂鬱（ゆううつ）な状態（気うつ）になったり、春バテのような元気が何となく出ない情緒不安定さを感じることもあるでしょう。
逆に陽の気が増す中で冬の陰から春へいっきに変化してしまい、いきなり陽の気が満ちてしまうような状態（オーバーヒート）を「気上がり」と呼び、イライラしたり、怒りっぽくなったり、頭に血が上ってカッとして他者を拒絶してみたり、時にはらしくない日頃ないような気分のムラがでてしまうこともあるようです。
このような心と体の不調を軽減するには、肝臓や胆嚢の働きを意識し、自律神経の働きを整える心掛けが一番です。
・入浴や軽い運動などで体を温めることがお勧めです。
・腹式呼吸を取り入れ、経絡やリンパマッサージなどで血行をよくすることもお勧めです。
・玄米や大麦・ハト麦などの穀物を摂ることや、小松菜、春菊、ニラ、クレソン、セロリ、アスパラガス、蕗のとう、よもぎ、タケノコ、ふき、タラの芽、ノビル、抹茶、などを積極的に取り入れることもお勧めです。
・腸内環境を意識し、ワカメやキノコ類、シジミやアサリ、発酵食品や酢の物などを取り入れることもお勧めです。
体を冷やさず、旬の食材を取り入れ、質の高い睡眠を心掛けるだけで、かなり自律神経を養生できると言えます。
「肝」の気の流れは怒りや憂鬱・疲労感に繋がるものなので、春は人間関係に難しさを感じることも多くあります。
大事な人や愛しい人を怒らせたり、思わぬ地雷を踏んだりしていませんか？
春だからこそ、恋人同士でもなぜこうなったかわからないすれ違いが生じたり、家族の中でも思わぬ不和や誤解が生じたりが増加します。
これも、春という季節に影響されている一面でもあります。
春は陰陽の変化だけではなく、いろいろな変化があります。
生活環境の変化や人間関係の変化、低気圧と高気圧が大きく動き頻繁な気圧の変化、日中と朝晩の激しい気温差、日照時間の変化、睡眠時間や睡眠の質の変化・・・様々な変化があるのがこの季節です。
自分も相手も心と体に大きなストレスを感じていることを、忘れずにいていただきたいです。
恋愛や人間関係で難しい壁に向き合っていらっしゃる時は、まず「春」の養生を意識してみられてはいかがでしょうか。
先週の週末に、熊本地震の被災地を訪ねさせていただきました。
画像のように、激しい雨が降る中、雨に濡れたツツジの花がいっそう鮮やかに感じました。
災害で被災された方々の一日も早い復興を願い、尊い命を犠牲になさった方々へ心から鎮魂の祈りを捧げさせていただきました。
日本は地震列島と呼ばれ、火山噴火や地震が多くあります。
雨に打たれながらも私たちに語りかけるように一生懸命に咲いていたツツジの花に、今一度災害と人の命の尊さを想い、全ての土地や全ての皆様の平和と安寧があるようにと願って手を合わせております。
皆さまのお心にも平安がありますように・・・
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