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続魂みがきの人たち(17)

R美との付き合い
北海道へR美が帰って来た後にT社長からの指示で新会社の設立が進み、T社長絡みの人間達が私の周りに増えて来てました。
しかし、どうもクセのある連中ばかりで、後から考えてもこの頃の人脈は悪縁ばかりで、そして自分の会社に入社してくる人材もまたどうもパッとしませんでした。
運が悪くなっている時は、何をやっても裏目に出てしまうものです。
この頃は本当についてなくて、ほんの10日ほどの間に2回も財布を盗まれました。
新会社にT社長の甥のMさんに参加してもらった関係で、Mさんに資金繰りを相談しましたら、
「Oに相談すると良いですよ。あいつは金が無い時は本当に無いんですが、でも不思議な男で有る時は億単位で持っていたりするんですよ。
以前、私に持っていると使ってしまうからと言って1億円置いておいて欲しいと言って来たので通帳と印鑑を預かったことがあります。
結局半年後にまた取りに来ましたけどね。一度聞いてみると良いですよ。」
と言うのでOに電話しましたら、すぐに会いに来ました。
Oは、「資金調達ですか。なんとかなると思いますよ。先ずは、手形を二千万と新会社の株券を200万分用意して私に預けて下さい。
手形は友人の会社で架空の売り上げをたててその支払い手形を銀行で割り引いて貰います。
株券の方は私が東京の投資家に額面の何倍かで勧めてみます。」と言うので、それらを用意してOに渡しました。
その直後にR美にその話をすると、「ラブちゃん！(Nママがいつも私をそう呼ぶのでいつの間にかR美も私をそう呼んでました)、
ダメよ！あのOのどこを信用しているの。
あいつに渡したらお金も出来ないし、それらも帰って来ないわよ。
早く取り戻さないと！友人の会社って北海道でイベント会社やっているSの会社のことでしょう！
あの会社今潰れそうなんだから」
と言うので、慌ててそのイベント会社へ行って手形を半分返してもらい、あとの一千万はもう銀行に入っているということでしたが、しかしそれは現金化出来ました。
でもOに渡した株券は、その後Oと連絡が取れなくなってとうとう帰って来ませんでした。
当時私は結婚してましたのでR美とはいわゆる不倫の関係でした。
Nママの勧めでR美がスナックを始めたのですが、そんなに儲かる店ではなく、殆んどは私が赤字を埋めていました。
彼女は生い立ちのせいか、よく情緒不安定な時があり、
一日に何回も電話してきて今日会えなければマンションのベランダから飛び降りるなどと言うことが有りましたが、私はあまり本気にしていませんでした。
でもそんなある日、R美から電話が有って「ラブちゃん、今まで本当にありがとう…。
もう、ゆっくり眠りたくなっちゃった。お薬飲んで寝ます…。ちょっと多めに飲んじゃった…。
さ・よ・な・ら…。」と言ってそのままその電話は切れました。