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誰かが歩いた道の上で(第1回/全3回)

龍空(ルーク) 先生

2026/09/18 16:43

龍空(ルーク) 先生

なぜか気になってしまうこと。

理由はうまく説明できないのに
心を引かれてしまうこと。

そんなものが
誰にでもひとつくらい
あるのかもしれません。

私にも、長いあいだ
惹かれ続けているものがあります。

それが『古い町』でした。


「チェコ」の古都に憧れ、
「カッパドキア」に心を動かされ、
「楼蘭」や「バビロン」の名前を聞くだけで
胸がざわつきます。


「バラナシ」や「クスコ」
「カディス」や「タンジェ」

そんな遠い国の古い町へ足を運んだこともあります。

長い間、自分でも理由はよく分かりませんでした。


歴史が好きだからなのか。
異国情緒が好きだからなのか。

けれど最近になって、
少しだけ言葉にできそうな気がしています。


惹かれるのは、
その場所そのものだけではなく、

「そこに人がいたこと」

なのかもしれません。


今は静かな場所にも、
かつてはたくさんの人が暮らしていました。

朝起きて、
仕事へ行き、
家族と食卓を囲み、
誰かを好きになり、
誰かを見送りながら生きていた。

そこでは、
何気ない日々の暮らしが
送られてきました。


そんな一日一日が積み重なり、

そこに暮らす人々によって、
しだいに村ができ、町となる。

何十年、何百年という時間の中で、
人々とともに、
その町もまた姿を変えていきます。

人の暮らしが途絶えた町もあります。


それでも、その場所に立つと、

ここには、
どんな人たちが暮らしていたのだろう。

どんな声が響いていたのだろう。

どんな未来を思い描いていたのだろう。

そんなことが浮かんできます。


建物や景色の向こう側に、
かつての暮らしが重なって見えるような
瞬間があります。

そうしていると、
遠い町のことを考えているはずなのに、

なぜか、
自分が暮らしている場所のことも
思い浮かんできます。


(つづく)
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