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占い師ブログ

ある時の愛人生活

独り暮らしの頃の話
ある夜ドアの前で 声がする
うちの前ではないんだろうなーと思いつつ
ドアの前に行ってみる
まだ泣いている
気になったので開けてみた
するとドアの隙間からスルスルと
何者かが部屋に入り込んだ
嘘でしょと思った
仕方がないから しばらく にらめっこ
部屋間違えてるよ
ベッドの上にポンとのった
嘘だろう
ニヤンタだった
そいつは私の部屋の上の住人と住んでいた
その住人には あったことはない
いつも帰ってくると 口笛を吹く
時々ニャンターと呼んでいる声がした
だから名前を覚えた
ニヤンタが部屋を間違ったのか
いやいやこいつはそんな 愚かではない
ニヤンタはいつも上の住人が出かける時は
外に出されていた
多分その間の愛人と宿を探してたのだろうか
とりあえず触ってみた
わりとキレイにしてる
こっちにおいでー
一応触らせてくれた
頭 背中 足 
ふわふわしていて気持ちいいな
その日は たわいもない会話をした
ニヤンタは 部屋の隅っこのところに長くなっていた
さすがにベッドは よく知らないものにあけ渡せない
そう告げると理解して従った
3時間くらい経っただろうか
ビューという例の口笛がした
ニヤンタがそわそわして
ドアの前にとんで行った
ドアを開けると一目散にすり抜けた。
上の住人のところに素早く戻ったようだ
確かに上下なら瞬時に移動できる
頭良すぎだわ
その後もニヤンタは度々私の部屋に来た
あるとき遊んでいて
肉球をぎゅうぎゅうしたら
爪を立ててきた
その傷は深くて 痛かった
初めての喧嘩だ
ニヤンタを睨みつけた
ニヤンタもまばたきしないで凝視した
缶詰の缶をパチンとすると
ニヤンタはいつもとんできた
お腹が空いているのかも
他人んちのにやたらのものはやれない
お腹でも壊したら大変
だから とりあえずホームセンターで手頃な 固形の食料を買ってきた
その日にニヤンタにそれを与えてみた
なんと一つか二つ食べて
その後は見向きもしなかった
まずいんじゃ
どんだけ贅沢なんだよ
確かに缶詰めちっくなものは 高級だよね
コマーシャルでよくみるね
いつも贅沢なもの与えられてるんだわ 
なんて思って それからはもう放って置いた
その生活がしばらく続くようになって
ニヤンタはどんどん図々しくなった
私が近くで勉強していても
平気で私のベッドで
大の字になって寝ていた
奴らも本当に上むいて寝るんだって
その時に知った
お腹まんま出してる
私と一緒じゃん
無防備以外のなんでもない
どんな夢を見ているんだろうというぐらい
無邪気な寝顔をしてた
お互いに安心して 時間を共有した
好きだったし 大切だったね
しかしそれだけ 爆睡してても 愛してても
あの口笛だけにはピンと起きる
そしてすっ飛んでドアの前に行く
忠実だよね

悔しいから知らん顔してると
ニヤーニヤー泣く
聞こえるとまずいのを知ってるのかも
仕方ないからドアを開けると
するすると出て行く
そのスピードたるや野生そのもの

ある時こんなことがあった
ニヤンタが珍しくドアの方ではなく
ベランダの方から声をかけてきた
何だろうと思って
ベランダの窓を開けて覗いてみた
そこにはニヤンタがいた
しかしにゃんただけではない
その後ろに3匹4匹一緒に連れて来ていた
嘘でしょ 無理だから 
そんなに面倒見れない
さすがにそこで 
ちょっと無理だよ
シッシと 
私は意思を伝えた
みんな私を一斉に見てる
8つぐらいの視線が向かってきた
そんなことにめげてはいられない
しっかりと強い気持ちを伝えた
皆 おずおずと引き上げていった

どんな情報共有なんだ
利用できるよー 親切だよーみたいな?
いやいや 違う 
もしかしたら
愛人紹介のつもりだったのかもしれない

あの頃は
深い意図を
わかってあげられなかったのが
悔やまれる
それからもニヤンタは
家に出入りしていた

階段で会うと
そのままついてくることもあった
相変わらず私のあれは食べない
とりあえず 
間借りなのか 仮眠を取るためなのか
私のささやかな愛情が欲しいためなのか

何のメリットがあるのかは
よくわからないままに
しばらくはそんなふうに
私たちの関係は続いて行った
上の住人は気づいていないようだった
もしかしたら気づいていたけど
どうでも良かったのかもしれない
ちゃんと帰るし 多分食事も変わらないし
愛情も注がれていたんだと思う
ニヤンタは賢かったから
すべてを上手くやっていたんだ きっと

ある時 
私は突然そこを引っ越す ことになった
あまりのバタバタだったために
その時のニヤンタのことは
よく覚えていない
きちんと挨拶したんだろうか
今までの感謝を伝えただろうか
いや してない
突然 私たちは終わったのだ
ただ 
あの日トラックに乗る私のカバンには
ほとんどまるまる残っていた
キャットフードが
入っていたことは記憶している。

確かに素敵な日々だった。
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