運命の出会い(11)
宗教家S.Aさん
数年前に離婚した元妻に、「今回出会ったS.Aさんが、君にも会いたいと言っている」と電話して伝えたところ、珍しく素直に「会ってみたい」というので、元の家内の先祖の資料を用意して再び一緒にS.Aさんの処へ行くことになりました。
S.Aさんはにこやかに笑いながら「二人ともお見えになると思ってましたよ」と言いながら書類を私に手渡しました。
その書類には、私の知らない山の中にあるという神社の住所と地図と写真が載っていました。
S.Aさんは「修行に行っていただきたいと思っております。
お二人で行っていただいても良いのですが、先ずはご主人に行って頂きたいのです。
仕事の休みさえとっていただければ、航空券と前泊のホテル、神社での修行の費用等は全て私がプレゼントさせていただきます」と。
余りにも突然なので私が戸惑っていると「まあ、ひとの親切はうけてみるもんですよ。
それと、そういうことになっているんです。何故かって?まあ、それは行った先で分かって来ます。行って来て下さい」
そう言うS.Aさんの目を見ると冗談ではなさそうで、もしかしたら変な宗教に入れられてしまうのだろうかと疑って躊躇していると、そんな私の気持ちを見透かしたように笑って
「宗教へ信心していただくとか、そういう話では有りませんから。
これは貴方の今までの人生に私が思うところがあって、私が勝手にそうして差し上げたいという、言わば私の気持ちですから受け取って下さい」とのことでした。
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