異国情緒あふれる
その店の内装に少し気後れしながらも
堂々と前を歩くK美のあとを歩き
店の人に案内された席についた…
まさかこの店が
のちに自分のホームグラウンドに
なるなんて思いもよらず…
店で一番人気というコースを頼み
アップルジュースかなんかを
飲んだ気がする…
今なら当然ワインですけどね～(●´艸`)ﾑﾌﾌ…
料理は
どれも聞いたこともない珍しい
名前のものばかりだったが
どれも美味しかった…
コースなので
前菜、サラダ、スープ、メイン、デザートと
ひとつひとつ丁寧に
わざわざオーナー店長が説明しに来てくれた…
もしこのときに目の前の人が
近未来の伴侶だと知っていたら…
もっとこの日の料理を
克明に覚えていたかもしれない
私は少し、K美の話に疲れていた
彼女と何をしゃべったかは
まったく覚えていない…
昔から私は
K美の一方的なおしゃべりの聞き役だったので
多分、彼女の自慢話かなにかだったのだろう…
母方の祖父が地元の名士で、
絶対に潰れそうもない大手電力会社に
コネで入社した経緯を
悪びれることもなく堂々と話してくれる…
彼女は愛すべき無邪気なお嬢様である
オシャレな制服を着て
キレイなショールームの案内か
何かをしていた彼女とちがい
私は
毎日鬼のようなコピーとり、
鬼のような来客応対、
大きなやかんで何度も沸かしても
間に合わないくらいの単なるお茶汲み…
タバコまで買いに行かされる使いっ走りで
毎日クタクタだった…
そんな中
丁寧なお料理説明をしてくれる彼に
笑顔が爽やかな人だな…
と好感をもったことだけは覚えている…
～つづく～
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